この記事はアフィリエイト案件を含みます
こんにちは、えみぞうです。
CRO勤務経験のあるワーママです。
私はCRO(開発業務受託機関)で勤務しています。
CROはおもに製薬会社の治験のサポートをおこなう機関です。
英語は一応できるといえるレベルではあるものの、医薬関連の知識ゼロでこの業界に入り込みました。
が、まあ驚くほど知らないことだらけで、業界用語・専門用語の嵐で今でも絶賛勉強中です。
一生かかっても網羅できる自信はありません。
とはいえ、ふだん目にする書類や資料でなんとなくわかった気になってきちゃっているという油断が生まれているのも事実です。
そこで、今回は自分の治験に関する英語力を客観的に測るために、治験実務英語検定(Advanced)を受検し、合格したので、その一部始終をまとめてみたいと思います。
結論からいうと、この業界において実務的な英語力を高める上ではとても有意義な経験でした!
治験実務英語検定とは?
そもそも、治験実務英語検定とは?というところを説明します。
治験業界にかかわりのある人でも知らない人の方が多いほどの超マイナー資格です。
治験実務英語検定の主催者
日本CRO協会が、翻訳会社のサン・フレアの協力を得て主催している民間資格です。
治験実務英語検定は何のためにあるの?
日本CRO協会Webサイトの情報によると、下記の定義があります。
医薬品開発業務に必要な英語スキルの向上を目的とした、国際共同治験等の実務上の英語力の指標となる治験実務英語検定試験です。
出典:日本CRO協会ウェブサイト
国際共同治験の場合、外資の製薬会社がお客さんであることがほとんどなので、英語の使用は避けられません。
さらに、通常の英語に加えて専門的な内容がもりだくさんです。
医学的な知識を求められるポジションでなくても、この業界特有の表現や言い回しがあるので、それらをどれぐらいおさえているか?という実力が図れる試験といえます。
治験実務英語検定のレベルは3つある
以下の3つのレベルがあります。難易度の目安も記載しました。
内容は下記のとおり。
Basicは読み書きだけですが、Advancedはリスニングが入ってきます。
まだ開始していませんが、Professionalではスピーキング能力も問われるようになる予定とのこと。
(出典:日本CRO協会ウェブサイト)
とはいえ、この資格自体が誕生したのは2016年で、わたしが受検した2023年は第8回目の開催でした。
内容やレベル感についてはまだ試行錯誤されている印象を受けました。
検定終了後に
「難しいと感じましたか?」
「問題数は多いと感じましたか?」
などの項目が入ったWebアンケートが送られてきたぐらいです。
治験実務英語検定はとにかくマイナー資格
繰り返すようですがCRO業界に縁のある人でも知らない人のほうが多いほど、マイナーなこの試験。
今はやりのChat GPTにも聞いてみましたが、大嘘を教えてくれました(笑)
まず主催団体が違うし、試験の概要も全然違うよー
まあとにかくマイナーな資格です。
私はひょんなことからこの資格を知り、受検するメリットを感じたので受けましたが、もう少し広まってくれるといいなと思います。
2023年の受検者はBasicとAdvancedを合わせて83名でした。
もう少し普及してほしい…!
日本CRO協会とは
主催者について簡単な紹介です。
すでにご存じの方は読み飛ばしてくださいね。
CROとは、医薬品業務受託機関(Contract Research Organization)の略で、製薬メーカーから新薬の開発業務(主に治験)を専門に受託している会社のことをいいます。
CROの歴史はたいへん浅く、日本での誕生は1990年前後です。
2000年代~2010年代にかけて急成長し、今では医薬品開発のプロセスに必要不可欠といわれるほどになりました。
そんなCROが結集した業界団体が「日本CRO協会」です。
業界自体が若いので、知らない方も多いと思います。
私自身、求職中にいろいろと探しているときに初めてCROという存在を知りました。
製薬会社でも少し働いたことがあるのですが、
「肉食系の(外資)製薬会社、草食系のCRO」という感想でした。
製薬会社はイケイケ(死語)で勢いのある元気な社員が多いのに対し、CROに転職したときはあまりの静けさと社員の物腰の低さに本当に驚きました。
勝手な個人の感想ですが、基本的に製薬会社にサービスを提供する側ですし、お医者さんや治験事務局にお伺いをすることが多いので、下手に出るのが苦にならない人でないと仕事がつらくなっちゃうのかなと感じています。
サン・フレアアカデミーとは
この資格を共同運用している翻訳会社のサン・フレアについても少し紹介です。
サン・フレアはサン・フレアアカデミーという翻訳学校も経営している超メジャーな翻訳会社です。
価格は他の翻訳会社と比べて高めですが、きちんとした品質を保ち納期も厳守してくれるすばらしい翻訳会社だと感じています。
プライドと自信をもって翻訳にあたられていると思います。
翻訳者の育成スクールも併設しています。
ここの講師の方の治験翻訳に関する講演を聞いたことがありますが、とても丁寧な内容でした。
治験英語実務検定の勉強は何をすればいいの?
さていざ受検してみようと決めたはいいけれど、では何を勉強すればいいの?
という所を解説したいと思います。
もちろん独学でやってやるぜという人もいると思います。
が、治験実務英語検定の運用に協力している、サン・フレアアカデミーの特別講座とテキストで学習するのが一番てっとり早いです。
サン・フレアアカデミーのウェブサイトはこちら
その名も「治験実務英語検定トレーニングコースAdvancedレベル」。
概要はこんな感じです。
気になるお値段は…
高い…!というのが第一印象でした…
これにAdvancedの場合、¥13,200の受験料が加わるので、ばかにならない出費…
TOEIC600が受検レベルの目安なら、テキストだけ入手して後は独学しよう!
と決断し、テキスト¥12,650を購入。
それでも高い…
治験実務英語検定(Advanced)のテキスト感想
…さてそんな高価なテキストを入手しましたが、購入したメリットは大有りでした!
何せこの分野の翻訳、独特のお決まりのルールが結構あります。
英作文としておさえておくポイントもありますが、それ以外にも例えば
といったことはきっちりおさえておく必要があります。
このテキスト、民間マイナー資格にありがちな薄さと高価格なのですが、¥12,650の価値は十分にあったと思います!
今まで独学で勉強してきて
「これはきっとこういうことなんだろう…多分」
と確信が持てないまま進めていたことを、はっきり言いきってあって確証を得た思いでした。
何せ業界が育ち切っていないので、翻訳の正解があるようなないような部分も多いです。
あれこれ調べて「きっとこれがスタンダードだ」と思って進めるものの、あれこれ調べるのがまず大変だし、調べても間違っていることだって少なくありません。
こうやって翻訳会社として名をはせているところが正解を出してくれると安心できるし大いに時短になるというもの。
これは今後仕事でも活用していく一冊かなと思います。
治験実務英語検定のわたしの勉強方法
ここでは私がどう受検対策したかを参考までに説明します。
テキストを読む
上述したサン・フレアの講座テキストをまずはどんどん読んでいきました。
全部で5章、約100ページの内容なので、比較的さらりと読めました。
これをやったのが試験2か月ぐらい前です。
バーっと読める箇所もあれば、一読しただけでは理解できない箇所もあって、内容の難易度はばらつきがあります。
あまりまとまった時間がとれなかったので、1日10分ずつ、1か月かけてちびちび読むペースでした。
治験実務英語検定を受けてみよう: 課題を解いてみる
各章のさいごに課題があるので、力試しにそれを解いてみました。
リスニングの課題も用意されてあり、音声ファイルはテキストを購入した数日後、サン・フレアからメールで送られてきていました。
解いてみると、
「あっ、これ理解してたつもりだけど、してないわ」
というのがぼろぼろ出てきたので、改めてテキストに戻ってマーカーでハイライトして復習。
これが試験1か月前ぐらいです。
わたしの英語力って…と愕然とした人も少なくないかと思います。
英語は地道に勉強あるのみ。自分に合った学習方法を見つけて時短を図りましょう。
おすすめは晋遊舎が発行しているMONOQLOの英語教材完全ガイド(2023)です。
治験実務英語検定を受けてみよう: 用語集を作成する
翻訳する際のお約束や文法について一通りおさらいしたあとは、用語集の作成にかかりました。
この用語集は本当に作っておいてよかったです。
当日は時間がないので、あれこれ比較してみるより一つのエクセルなり何かなりでまとまっていることが大事。
作っておけば仕事でも使えます。
どう分類するかは悩ましかったのですが、自分が分かりやすいように分類して日英表現を並べ、リスト化しておきました。
- 役職名
- 疾患名
- 症状
- 薬の剤型
- 用法・用量の表現
このあたりは作っておいて便利な分類でした。
用語集を作り始めたのが受検する約1か月前からです。
ここにきて、
「そういえばこの試験オープンブック形式だったな」
と思い出します。
自宅でオンライン受検する形式であるうえにオープンブック試験なので、当日資料やAI翻訳は自由に使用可です。
そのため
「この細かい用語の違いは当日調べながら問題を解けばいいか~」
という最悪の油断が生まれ、用語集を作るだけで満足してしまい、当日泣くはめになりました。
治験実務英語検定を受けてみよう: 過去問をゲットしたのでそれを読む
試験2週間前、そろそろちゃんと勉強しないとなーでもだるいなーと感じていたら、日本CRO協会から親切にも過去問が送られてきました。
これ大変助かりました!
協会としても少しでもこの資格を普及させて、合格率を上げたいのかなと勝手に想像。
毎年送ってくれているかは分からないので、知りたい場合は協会に直接問い合わせたほうがよいと思います。
ここに登場する用語や表現も用語集にまとめておき、当日を迎えました。
英語や英作文に自信ないかも…という人は地道に英作文をつくる練習を重ねるのが一番の上達への近道。
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治験実務英語検定を受検したときに使用した資料とツール
参考になるかわかりませんが、私が受検にあたり使用したのは以下です。
- DeepL:より良い訳を提案してもらうために使用
- 英辞郎:用語の確認に使用
- 自分で作った用語集のエクセル:用語の確認に使用
- Grammarly:文法チェックに使用
出題数がとにかく多かったです!
専門用語の訳の確認などをしていたらあっというまに時間が足りなくなり…
和訳が苦手で後回しにしていたのですが、最後は時間切れで半分ぐらいしか訳せず、知っている単語を羅列するだけのひどい訳になりました。
専門用語の英訳がある程度頭に入っていないと厳しいと痛感。
治験実務英語検定を受検してみての失敗談・反省点
ここからは受検してみての失敗談です。
治験実務英語検定の受検失敗談: オープンブック試験だからと油断した
一番大きな失敗はオープンブック試験のため油断が生まれ、細部まで勉強しきらなかったこと。
TOEIC600が目安なので、「まあ大丈夫だろう」とどこか油断していました。
「細かいところは当日確認すればいいっしょ」
と勉強に熱が入りきらず、当日は専門用語の訳出に悩み苦しむことに。
辞書など引かず、専門用語が英語である程度出てくるレベルでないと時間が足りなくなります。
TOEIC600を目安に、というのはあくまでも英語に対する理解力であって、専門用語のレベルの目安ではないのです。
治験実務英語検定の受検失敗談: オンライン受検ならではのトラブルも
これは自宅でオンライン受検を経験した人や、用意周到な人にとっては関係ない話だと思いますが、
自宅でオンライン受検するための環境を整えるのが一苦労でした。
オンライン受検ならではのトラブル①PC環境
試験中にPCの更新などが始まらないよう、事前に対応したのでPC関係の対策は大丈夫!と思っていた。
が、試験はWordファイルを所定のURLからダウンロードし、回答を記入して同じ場所にアップロードする形式。
試験に先んずること1か月、Microsoftのサブスクを解約していたことを当日思い出す。
ダウンロードしたWordファイルを開くときに「あなたお金払ってませんよね?」という警告メッセージが出てきてすごく焦った。結果的にファイルは無事開けたけどすごく焦った。
オンライン受検ならではのトラブル②室内環境
試験のときは2画面使いたいので、PCモニターが置いてある和室にノートパソコンを置いて受検することにしたが、2月の北向きの和室の寒さを舐めてた。
暖房をフル稼働させても吐く息が白いし指先がかじかむ。回答を打ち込む指が震える
(一応都内在住です)
この状態で2時間受検するのはつらかった。暖かい部屋に移動する時間と心の余裕はなかった。
オンライン受検ならではのトラブル③家族の協力
試験前夜は子どもの夜泣きの対応を夫に依頼してぐっすり眠った。これはOK。
試験当日については「朝10時から試験だから、それまでに子どもたち(2歳と0歳)を連れて外出して」!と夫にお願いしておいた。
これで万事OK!かと思われたが、夫が子どもを連れて出発したのは試験開始時間の10時ちょうど。
出かける直前、2歳の長男が「ママとハイタッチしてからでないとお出かけしたくないぃぃ」と突然ごね出したため、試験冒頭数分をロスするはめに。
家族にも15分前行動を依頼するべきでした。
治験実務英語検定を受検した感想まとめ
試験結果は事前に連絡があったとおり、約1か月半後にメールで送られてきました。
100点満点中、70点を合格ラインとしてあり、各項目の得点とそれぞれの一言フィードバックが書いてありました。
時間をかけて丁寧に採点された形跡があり、やっぱりサン・フレアいいなと感じます。
「こうするともっといいですよ」
というアドバイスまで。
「細部の詰めが甘いです」
というごもっともな指摘も(涙
結論としては、受けてみてよかった!と感じる試験内容でした。
今後もこの業界にかかわる人にとっては、受けておいて損のない内容です。
自分の実力チェックができるし、曖昧なままにしてきた部分に対してはっきり答えがもらえた感覚です。
大きいことを言えば、日本のCROの英語力が底上げされれば、日本の治験業界ももっと盛り上がっていくだろうと思います。
英語の壁がネックになって日本での治験をあきらめる会社は少なくないと思うので。
「治験実務英語検定、受けてみようかな?」
と興味を持ったはいいものの、
「でも、今の自分の英語力ってどれぐらいなんだろう」
と思った場合、こちらの問題を解けるか試してみてください。
治験分担医師は一部のデータがないことに気づき、検査データの入力を中止した。
専門用語の英訳は以下のとおりです。
- 治験分担医師:sub-investigator
- 検査データ:laboratory data
そして意外と出てこない以下の表現は、こんな単語を使ってみましょう。
- 中止する: stop
- 入力する: enter
- (データが)ない: missing
これらの単語を組み合わせて英作文をしてみると、こんな感じです。
The sub-investigator stopped entering the laboratory data because he found that a part of data were missed.
治験分担医師は一部のデータがないことに気づき、検査データの入力を中止した。
Advancedだと、少し試行錯誤しつつも、この文章を自分の中である程度作れる必要があると思います。
もちろんAI翻訳に日本語をダーッとタイプして翻訳してもらうという技もあります。
でもAIが作った文が正しいかどうか判断できるのは自分しかいません。
英作文の正誤をある程度自分で判断できるようになるには、英語の基礎力は必要です。
一番手っ取り早く上達する方法は、
「自分の英作文をプロに添削してもらうこと」。
今の自分の英語力と弱点が浮き彫りになるので、最短距離で実力アップを狙えます。
英文添削サービスならIDIY(アイディー)がおすすめです。
プロの翻訳者やネイティブが、提出した英作文を添削し、わかりやすい解説とともに返信してくれます。
OKの部分でも
「こんな表現を使うと、よりプロフェッショナルな印象が出ますよ」
とアドバイスしてくれるので、英作文に自信のないうちは力強い味方になってくれるサービスです。
毎日添削を依頼できる「定期券」が、一か月ぶん半額で購入できるキャンペーンを実施中。継続的な学習習慣がお得に身につきます。
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ただただ「英語やらなきゃ…」と思っていると英語の勉強ってつらいですが、
「英語ができれば同僚と差をつけられる」
「英語ができれば辞書を引く手間が省けるから業務が効率化できて、残業時間を減らせる」
と思えば、英語は成果が目に見えてあらわれるので楽しくなってくると思います。
EF Englishやスマート・チューターなど、日本ではマイナーなだけで優れた英語学習サービスはたくさんあります!
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もし外資系への就職を考えているなら、自分の英語力をILR Scaleで測っておくといつか役に立つかもしれません。知らない人はこちらの記事も参照してみてね。
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長い記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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