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英語学習者なら、「一億人の英文法」という文法書を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
あるある!すごく売れてるみたいだけど、とにかく分厚くて手に取る気も起きなかった…
文法書ならすでに何冊か持ってるし、今さら新しいのを手に入れてもちゃんと活用できないと思うんだよね。
ても存在は気になる…!売れてる秘密はなんだろう?
こんな疑問に答えます!
結論からいうと、一億人の英文法は「一冊は手元に置いておきたい、英語を話せるようになるための文法書」です。
そうなんだ。
でも実際に使いこなせるかどうかが不安…
ほかの文法書を読むことなく積み上げるだけだった挫折の日々がよみがえる…
「一億人の英文法」は高校生でも7~10日間で読み終えられることをモットーに作られた、とても読みやすい文法書。
しかも、ただの文法書ではなく「英語を話せるようになる」ということをあくまでも目的にしているところが人気の秘密です。
本書は晋遊舎の、さまざまな商品のランキングレビュー雑誌「MONOQLO」が2年に一度定期的に発行している英語教材ランキングの最新版で、おすすめ文法書ランキングの堂々第一位に選ばれています。
2011年に発売されて以来、60万部を売り上げている本書を、わたしも読んでみたのでその感想と口コミを記事にしています。
それではいってみましょう。
「一億人の英文法」はわかりにくい?どんな本かをまずは紹介
本書の一番の魅力は
ネイティブがどんな感覚で英語をしゃべっているかを詳しく説明している
という点だと感じます。
わたしたち日本人が文法を意識しなくても自然と
「ここは強調して伝えたい」
「この部分は最後に持ってきて聞いている人にインパクトを与えたい」
などと考えながら日本語を話しているように、ネイティブもどんなニュアンスを相手に伝えたいかを意識しながら英語を話しています。
それを徹底的に文法的側面から解説したのがこの本です。
日本語と英語は言語学的に大きく異なります。
そして日本人と英語ネイティブの考え方にも大きなギャップがあります。
その違いを名詞、形容詞、動詞、前置詞…などあらゆる文法的な切り口から説明してあるのが本書です。
たとえば名詞で言えば、日本人を悩ませる「冠詞」は泣き所ですよね。
なぜ泣き所かというと単純に冠詞は日本語に存在しないからです。
ではネイティブは a と the をどう使い分けているのか。
いくつかに分類して説明してありますが、わかりやすいのは
theは「共通認識をもてるイメージ」「ひとつに決まるイメージ」
ということ。
The police were on the scene.(警察は現場に到着した)
The と a のちがいといえば、
「初めて話の中に出てきたら a 、すでに話の中に出てきていたら the を使う」
というふうに覚えている人も多いかもしれません。
ですが、この分では police が初出なのに The police となっています。
これは「警察官」というイメージはある程度の人が共通認識としてもっているから。
市民を守り、悪者を逮捕する組織というば「警察」、なので The police というふうに The を付けるのがしっくりくるという感覚です。
こんなふうにさまざまな例を出しながら何ページにもわたって説明してあるので、読んでいるうちになんとなくイメージがわいてくるのです。
ネイティブ感覚で英語を話せるようになりたいなら、絶対に知っておくべき知識です!
「一億人の英文法」はわかりにくい?実際どれぐらい売れてる?
実際、「一億人の英文法」はわかりにくいという口コミもありますが、どれぐらい人気があるんでしょう?
このような疑問をもつ方もいると思います。
本書は2011年に発売されましたが、2019年時点ですでに60万部以上売れています。
10万部を超えるとベストセラーと呼ばれる出版界において、英語の専門書という分野でこれだけの売上を誇るのは本当にすごいことですね!
「一億人の英文法」はわかりにくい?人気の理由は?
本書が人気である大きな理由のひとつとして、大西泰斗先生とポール・マクベイ先生の共著であることがまず挙げられます。
大西泰斗先生といえば、NHK語学講座の英語シリーズを担当していることで有名。
NHKの英語講座は、よく知らない人でもそのクオリティの高さについて聞いたことがあるのではないでしょうか?
ちなみにNHKポケット語学という英語学習アプリは質の高いNHK語学講座で、いつでもサクッと勉強できる、ビジネスパーソンに大人気のアプリです。
もちろん大西先生のラジオ英語講座の内容も網羅されています。
アプリの使用料が月々1,000円台というお手頃さも支持されている理由の一つです。
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大西先生の語り口とわかりやすい解説のファンの人も多いと思います。
その大西先生の英語専門書ということが、人気の秘密の一つと言えそうです。
共著者のポール・マクベイ先生はイギリス人で、麗澤大学の教授です。
NHKラジオ英会話に2018年~2023年まで出演されていたので、知っているという人も少なくないかもしれません。
現在はNHKテキスト『ラジオ英会話』で2021年4月号から「Chris’s Ramblings クリスの英語でよもやま話」を連載もしています。
「一億人の英文法」以外にも、大西先生と多数の共著をお持ちです。
この二人の先生が
「高校生でもすらすら読めるようにわかりやすい英語の文法書を」、
それも
「ただの文法書ではなく、あくまでも英語が話せるようになるための本を作りたい」
というはっきりとしたコンセプトで作られているのが「一億人の英文法」です。
「一億人の英文法」はわかりにくい?本書の構成
本書は以下のような構成になっています。
従来の文法書とひと味ちがう内容です。
「一億人の英文法」はわかりにくい?ユニークな章立て
本書は全部で約700ページあります。
付録をのぞくと全18章からなります。
内訳は以下のとおりです。
0. 英文法の歩き方 |
1. 主語・動詞・基本文型 |
2. 名詞 |
3. 形容詞 |
4. 副詞 |
5. 比較 |
6. 否定 |
7. 助動詞 |
8. 前置詞 |
9. WH修飾 |
10. 動詞-ING形 |
11. TO不定詞 |
12. 過去分詞形 |
13. 節 |
14. 疑問文 |
15. さまざまな配置転換 |
16. 時表現 |
17. 接続詞 |
18. 流れを整える |
巻末付録 |
くまなく文法要素をおさえつつも、独自の分類方法となっていることがお分かりいただけるのではないかと思います。
特に
0.英文法の歩き方
8.前置詞
の章はユニークでわかりやすい!
気になったらこの2章だけでも立ち読みしてみては?
「一億人の英文法」はわかりにくい?コラムがユニーク
本書にはコラムが多く登場します。
その種類なんと7種類!
HEART | ネイティブの心の動きを詳しく説明するコラム |
LIGHT | 応用編を書いたコラム |
ELECTRON | 文法的にマニアックなコラム |
CONVERSATION | 会話へのヒントを書いたコラム |
POSITIONS | 本書が繰り返し説明する「英語は配置のことば」という内容を補強するコラム |
VOCABULARY | 語彙を増強するためのコラム |
TYPICAL MISTAKES | よくある間違いを示したコラム |
後述しますが、
「これは今読んでも頭に入らないだろう」
と読んでいて感じたコラムは読み飛ばして構わないと思います。
コラムを省略すると700ページのボリュームが約半分ぐらいになる感覚なので、読破への道のりがスピードアップします。
でも、コラムの内容はどれも
「そうだったんだ…!」
と英語学習者なら誰でも膝を打つような内容が満載なので、ぜひ一度目を通してみることをおすすめします。
「一億人の英文法」はわかりにくい?使いこなすコツ
実際に本書を読んだわたしが感じた、一億人の英文法を自分の血肉にするためのコツを挙げたいと思います。
「一億人の英文法」はわかりにくい?少し変わった参考書だととらえる
正直な感想ですが、本書は従来の文法書とは異なります。
ネイティブがどのような感覚で英語をしゃべっているか
という解説がメインで、文法はあくまでもそれを理解するための補助的内容です。
というのも、大西先生とマクベイ先生が本書を書いた目的は
「日本人が英語を話せるようになること」
だからで、
「英文法をただしく理解すること」
ではないからです。
そのため、一般的な文法書のような内容を期待して開くと
- わかりにくい
- なぜ売れているのかわからない
- 自分には合わない
といった感想を真っ先にもってしまうと思います。
そのため、英語が話せるようになることい重きを置いた、独特の語り口の英文法書だということを忘れないようにしましょう。
「一億人の英文法」はわかりにくい?はじめは頭から読んでみる
初めてこの本を読むときは、頭から読んでいくことをおすすめします。
なぜなら冒頭に、英会話ができるようになるための超絶大事なことが説明してあるからです。
英語ネイティブの頭の中はこうなっているよ!
という、この本のミソともいえる部分がばっちり書いてあります。
それを飛ばして気になるところから読み始めると、やはり
- えっ、何この参考書?わかりにくすぎる!
- 自分には合わない!買って損した
といった感想を抱いてしまいがちだと思います。
ずっしり分厚いので興味のあるところだけ飛ばし読みしたくなりますが、一週目はぜひ頭から読んでみて下さい。
最初の十数ページで
「そうなんだ…!」
という発見があることと思います。
くりかえし出てくる「英語は『配置のことば』」という意味がわかると、それだけでもこの本読んでよかった!と思えてきますよ。
「一億人の英文法」はわかりにくい?一日に何ページ読むか決めておき、こまかい解説は二週目で読む
とはいえ、非常に分厚い本書。
高校生が7~10日間で読み終えられることを意識して書かれており、平易で親しみやすい文章で書かれているのですが、
なんせ付録ページまで入れると19章、約700ページもあります…。
忙しい社会人がコツコツ読み進めるには強靭な意思が必要ですね…。
わたしも何度も挫折しかけましたが、読み通すコツは
・1日〇ページ または
・1日1章
というふうに読むペースを決めておくことです。
そして一日に読む量を把握しておき、「だいたいどんなことが書いてあるか」を知り、
超細かい解説などは二週目に回します。
何がどこに書いてあったかをなんとなく把握するというイメージで、とにかく何がなんでも一周読んでしまいましょう。
読み切ったことが達成感につながりますし、全体の内容がつかめます。
「一億人の英文法」はわかりにくい?口コミ・評判をチェック
X(旧ツイッター)の英語学習コミュニティにアップされているポストを中心に、口コミや評判を集めてみました。
この「ふわっと文法が分かるようになる」という感覚がすごく大事だと思います!
ガチガチに理解しようとすると英語を話せるようになるという目的からかえって遠ざかりますからね。
あと本書にも、理解を妨げない範囲で多様な単語、熟語がかなり出てくるのでその意味でも勉強になります。
「英語は配置の言葉」
「感情があるから転置が起きる」
「ネイティブの気持ちを理解する」
どれも本書の本質を突いた内容です。
英語は話し手の気持ちや強調したいことによって語順が変化するので、
「なんでこの順番になるの?」
というときは話し手の気持ちを想像することが不可欠なんですよね。
基本動詞、副詞、前置詞のこまかい使い方、載ってます。
これだけじゃなく、名詞や形容詞についてもネイティブがどういう気持ちで話しながら使っているかをこれでもかとページ数を費やして説明してあります。
そう、とにかくわかりやすいんです。
・平易な文章
・たくさんの例文と豊富な解説
・話し手であるネイティブの気持ちを考えるという切り口
という点がわかりやすさのポイントだと感じます。
口コミや評判を見たところ、本書の独特の切り口を理解すると、英語に対する理解が一気に進む感をみなさん持っているという印象でした。
大西先生がバリキャリのお兄さんといっしょに書いた本、「ビジネスパーソンの英語」もおすすめしたいです。
ビジネスパーソンが英語学習で遠回りしないためのノウハウがぎっしり詰まった一冊です。
「一億人の英文法」はわかりにくい?感想まとめ
英文法を新しい切り口で解説してあるだけでなく、あくまでも
「英会話は話せるようになって初めて本物の実力になる」
というスタンスを、これから社会に出る高校生向けに書いているコンセプトがいいなとわたしはこの本を読んで感じました。
英語ネイティブの思考パターンをこれでもかと丁寧に解説することによって、
「英語も言語のひとつに過ぎないこと」
「英語も、人に自分の気持ちを伝えるという言語であることに変わりはないこと」
という当たり前のことを思い出させてくれる本でもあります。
たとえば前置詞などは「『活動中』は”on business” 』というように暗記しても、いざ使おうとすると
「at businessだっけ? in business…?」
となることって多くないですか?
このように、前置詞と意味をひとつひとつセットで地道に暗記してもとうてい英語が話せるようにはならないでしょう。
それよりもイメージで
「Onは『線上に何かが存在するイメージ」。『活動』という一つの流れを意識すると、その活動という線の上にその人が存在していて、現在進行形で何かをやっているイメージ」
というふうに覚えてみると、意外とすんなり on business というフレーズが覚えられるのではないかと思います。
こうやって覚えていくと、ただの無機質な暗記から、英語が話し手の気持ちを伝えるためのことばであることが改めて思い出されて、俄然面白くなってきます。
誰かに伝えたいという思いがある限り、英語力の伸びしろはあると思わせてくれます!
その一方で、まったくの英語初心者にはこの一冊だけで英語を話せるようになるのはやや難しいのではないかと思います。
個人的にはEvergreenなどの正統派の文法書と並行して使うことをおすすめしたいです。
将来的に英語を話せるようになりたい方向けに、自信を持って紹介したい一冊です。
今後の英語教材選びの参考にして頂けたら幸いです。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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