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こんにちは、えみぞうです。
仕事での英語使用歴20年のワーママです。
私は製薬関連の外資系企業で勤務しています。
あたらしいプロジェクトに参加する際、英語力を問われることが多々ありますが、
日本人同士だとほぼ例外なくTOEICスコアで確認します。
ですが、海外スタッフも参加するプロジェクトに参加したり、海外のお客様に自分の英語力について伝える必要がある場合は、「ILR Scale」という基準が使われることがあります。
このILR Scale、私は外資系企業に勤務するまで聞いたことがありませんでした。
・外資系企業への就職や転職を希望する方
・外資系企業勤務でもILR Scaleって何?と思われた方
この機会にILR Scaleについて知ってみませんか?
簡単にいえば、アメリカの様々な政府機関が使用している英語レベル測定基準です!
そんなに難しい内容ではないので、下の記事でサクッとおさえておきましょう!
それではいってみましょう。
- ILR Scaleとは?
- ILR scaleは大きく6段階ある
- ILR Scaleって何?ILR Speaking 0 – No proficiency
- ILR Scaleって何?ILR Speaking 1 – Elementary proficiency
- ILR Scaleって何?ILR Level 2 – Limited working proficiency
- ILR Scaleって何?ILR Level 3 – Professional working proficiency
- ILR Scaleって何?ILR Level 4 – Full professional proficiency
- ILR Scaleって何?ILR Level 5 – Native or bilingual proficiency
- 自分のILR Scaleを知るには?
- 英語力を測る基準:ILR Scaleって何?まとめ
ILR Scaleとは?
まずILRとは何?という点ですが、
The Interagency Language Roundtable(アメリカ省庁間言語会議)の略です。
ILRは1955年に、アメリカの様々な政府機関の外国語活動の情報の調整と共有を目的として設立されました。
ILR Scaleは、このILRが独自に発展させてきた言語の熟練度の尺度のようなものです。
アメリカの外交官や諜報員、軍人などが、仕事するときにお互いどの程度外国語を話せるのか、明確にするために作ったスコアというイメージです。
ILR Scaleのレベルは全部で11段階あります。
外国語の熟達レベルを大きく0から5の5段階で評価しています。
さらに中間レベルの0+,1+,2+,3+,4+とに分けてあります。
外国語の熟達度を測るものなので、英語だけでなく、日本語やフランス語などどの言語でもILR Scale が利用できます。
実際わたしの会社でも、英語だけでなく他言語もしゃべれる場合には、その言語についてもILR Scaleで申告します。
では、具体的にILR Scaleの内容を見ていきましょう。
ILR scaleは大きく6段階ある
ILR Scaleは大きく6段階に分かれています。
0がもっともレベルが低く「ほぼ初心者」、5がもっとも高評価で「ネイティブレベル」となっています。
Reading, Writing, Speaking, Listeningの4技能それぞれに関して基準が定められていますが、ここではSpeakingを例に挙げながら説明したいと思います。
ひとつずつみていきましょう。
ILRの公式ウェブサイトから定義を引用し、超ざっくりとした要点を和訳しています。
ILR Scaleって何?ILR Speaking 0 – No proficiency
ILRの定義によると、0レベルは以下のようになっています。
Unable to function in the spoken language. Oral production is limited to occasional isolated words. Has essentially no communicative ability.
要点はこんな感じです:
口頭での表現能力がほとんどない
たまに単語を発することはできるが、コミュニケーション能力はほとんどない
ほぼ初心者レベルですね。入門者といってもよいかも。
ILR Scaleって何?ILR Speaking 1 – Elementary proficiency
ほぼ初心者のLevel 0に比べ、その次のLevel 1は以下のように定義されています。
Able to satisfy minimum courtesy requirements and maintain very simple face-to-face conversations on familiar topics. A native speaker must often use slowed speech, repetition, paraphrase, or a combination of these to be understood by this individual. Similarly, the native speaker must strain and employ real-world knowledge to understand even simple statements/questions from this individual. This speaker has a functional, but limited proficiency. Misunderstandings are frequent, but the individual is able to ask for help and to verify comprehension of native speech in face-to-face interaction. The individual is unable to produce continuous discourse except with rehearsed material.
要点はこんな感じです:
馴染みのあるトピックに関する非常にシンプルな会話を行うことができる
相手のネイティブスピーカーは話すスピードを落としたり、繰り返しや言い換えなどをする必要がある
会話することは可能だが限定的である
正しく理解できないことが多いが、会話の相手に助けを求めたり、会話中に理解を確認したりすることができる
練習した内容以外の連続的な会話をすることは難しい
実際にはもっと多くの内容が書かれていますが、要点としてはこんな感じです。
語学を習い始めたばかりのイメージですね。
ILR Scaleって何?ILR Level 2 – Limited working proficiency
次はもう少しレベルが上がって、Level 2です。
以下のように定義されています。
Able to satisfy routine social demands and limited work requirements. Can handle routine work-related interactions that are limited in scope. In more complex and sophisticated work-related tasks, language usage generally disturbs the native speaker. Can handle with confidence, but not with facility, most normal, high-frequency social conversational situations including extensive, but casual conversations about current events, as well as work, family, and autobiographical information. The individual can get the gist of most everyday conversations but has some difficulty understanding native speakers in situations that require specialized or sophisticated knowledge. The individual’s utterances are minimally cohesive. Linguistic structure is usually not very elaborate and not thoroughly controlled; errors are frequent. Vocabulary use is appropriate for high-frequency utterances. but unusual or imprecise elsewhere.
要点はこんな感じです。
日常的な社会的要求と限られた仕事上の要件を満たすことができる
通常の高頻度の社交会話シチュエーションに自信を持って対処できるが、状況によってはスムーズではない
ほとんどの日常会話の要点を把握できますが、専門的または洗練された知識が必要な状況で、ネイティブスピーカーが理解するのに苦労することがある
シンプルな文法を用いて話し、間違いが多い
かなりカタコトのイメージ。
でもこのレベルに来るまでだけでも結構大変ですよね…。
ILR Scaleって何?ILR Level 3 – Professional working proficiency
次はLevel 3です。
このあたりから仕事でも使えるイメージになってきます。
Able to speak the language with sufficient structural accuracy and vocabulary to participate effectively in most formal and informal conversations in practical, social and professional topics. Nevertheless, the individual’s limitations generally restrict the professional contexts of language use to matters of shared knowledge and/or international convention. Discourse is cohesive. The individual uses the language acceptably, but with some noticeable imperfections; yet, errors virtually never interfere with understanding and rarely disturb the native speaker. The individual can effectively combine structure and vocabulary to convey his/her meaning accurately. The individual speaks readily and fills pauses suitably. In face-to-face conversation with natives speaking the standard dialect at a normal rate of speech, comprehension is quite complete. Although cultural references, proverbs and the implications of nuances and idiom may not be fully understood, the individual can easily repair the conversation. Pronunciation may be obviously foreign. Individual sounds are accurate: but stress, intonation and pitch control may be faulty.
言語の構造的な正確さと語彙力が十分にあるため、実用的、社会的、そして専門的なトピックにおけるほとんどの会話に参加できる
適切に会話できるが、いくつかの間違いも見受けられる
しかし、間違いは理解を妨げるほどではなく、ネイティブスピーカーが聞いていて混乱しないレベルである
自分の考えを正確に伝えることができる
ネイティブスピーカーが標準的な発音で通常のスピードで話すかぎり、完全に理解できる
文化的な言及やことわざ、ニュアンスや慣用句の含意を理解していないが、意味を問いただして理解することができる
発音は明らかに外国風。個々の音は正確だが、アクセント、イントネーション、ピッチの制御が不十分な場合がある
発音に関しても高い水準を求められてくるのがわかります。
また、言語の文化的背景を理解しているかなども問われるレベルになってきますね。
ILR Scaleって何?ILR Level 4 – Full professional proficiency
かなりレベルの高い、ネイティブスピーカーの一歩手前のLevel4の定義は以下になります。
Able to use the language fluently and accurately on all levels normally pertinent to professional needs. The individual’s language usage and ability to function are fully successful. Organizes discourse well, using appropriate rhetorical speech devices, native cultural references and understanding. Language ability only rarely hinders him/her in performing any task requiring language; yet, the individual would seldom be perceived as a native. Speaks effortlessly and smoothly and is able to use the language with a high degree of effectiveness, reliability and precision for all representational purposes within the range of personal and professional experience and scope of responsibilities. Can serve as an informal interpreter in a range of unpredictable circumstances. Can perform extensive, sophisticated language tasks, encompassing most matters of interest to well-educated native speakers, including tasks which do not bear directly on a professional specialty.
ざっくり要約するとこんな感じ。
流暢かつ正確に会話ができ、専門的な内容についても適切に話せる
言語能力はほとんどの場合、言語を必要とする任務の遂行を妨げることはないが、ネイティブスピーカーレベルではない
よく知らない状況下でも、非公式な通訳ができる
専門的な専門分野と直接関係のないタスクを含む、幅広く、洗練された言語タスクを実行できる
ここまでできたら憧れですよね。
仕事をする上ではまったく問題ないレベルであるだけでなく、語学力だけでなく、専門性や教養も問われてきますね。
ILR Scaleって何?ILR Level 5 – Native or bilingual proficiency
ILR Scaleのもっとも高いレベルで、ネイティブレベルといっていいでしょう。
ILRでは以下のように定義されています。
Speaking proficiency is functionally equivalent to that of a highly articulate well-educated native speaker and reflects the cultural standards of the country where the language is natively spoken. The individual uses the language with complete flexibility and intuition, so that speech on all levels is fully accepted by well-educated native speakers in all of its features, including breadth of vocabulary and idiom, colloquialisms and pertinent cultural references. Pronunciation is typically consistent with that of well-educated native speakers of a non-stigmatized dialect.
高度で表現力豊かでよく教育された母国語話者とほぼ同等であり、言語が母国で話される文化基準を反映している
直感的に話すことができるため、語彙や慣用句、俗語、文化的背景などすべての特徴においてよく教育されたネイティブスピーカーが聞いても違和感がない
ネイティブスピーカー並みの発音
このレベルまで行けたら夢のようですね!
そして自己申告で「このレベルです」と言い切れる人もなかなかいないような…。
自分のILR Scaleを知るには?
自分の英語力はILR Scaleでいうとどれぐらいなんだろう?
と思う人もいるかもしれません。
ILR Scaleは基本的に自己申告なので、知りたい場合はILRの公式ウェブサイトにあるself assessmentを使って自己判断することになります。
ILRの公式ウェブサイトにあるself assessmentは以下の3種類です。
たとえばSpeakingなら以下のような内容が指標になってきます。
- Level 1 かんたんな食事を注文できる
- Level 2 よく知っているトピックについてなら会話できる
- Level 3 専門的な内容について会話できる
- Level 4 文法的なミスをしない
- Level 5 発音がネイティブスピーカー並みである
気になる人はILRのウェブサイトをのぞいてみてください。
英語力を測る基準:ILR Scaleって何?まとめ
なかなか馴染みのないILR Scaleですが、知っておいて損はないと思います!
特に外資系に興味がある人なら、いつか仕事でILR Scaleでの語学力を自己評価することを求められる日が来るかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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