本記事はアフィリエイト案件を含みます
一部ネタバレを含みますのでご注意ください。
『ウィキッド(Wicked)』は、アメリカの小説およびミュージカルで、『オズの魔法使い』の世界を別視点から描いた作品です。
そのため、英語圏の文化に関する知識があると、より楽しめる作品となっています。
思わず人に話したくなる小ネタを集めました。

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- 英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習 原作小説は?
- 英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習 ミュージカル版
- 英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習 映画版(2024年・2025年公開予定)
- 英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習
- 英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習まとめ「オズの国」はアメリカ社会の比喩?
英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習 原作小説は?

ミュージカル『ウィキッド(Wicked)』の原作はグレゴリー・マグワイア(Gregory Maguire)による小説 Wicked: The Life and Times of the Wicked Witch of the West(『ウィキッド:西の悪い魔女の生涯と時代』)です。
- 著者: グレゴリー・マグワイア
- 出版年: 1995年
- ジャンル: ファンタジー、ダークファンタジー、政治風刺
- あらすじ:
『オズの魔法使い』の物語を「西の悪い魔女(エルファバ)」の視点から描き、彼女がなぜ「悪」と呼ばれるようになったのかを探ります。
オズの魔法使いの裏話として有名な本作は、ミュージカル化され、日本でも劇団四季で観ることができますよね。
英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習 ストーリーの主なポイント
半ばネタバレになりますが、おさらいのためにWicked (ウィキッド) のあらすじを振り返っておきましょう。
ストーリーは以下のとおりです。
- エルファバの誕生と幼少期
- 緑色の肌を持つ少女として生まれ、周囲から奇異な目で見られる。
- 両親との関係は複雑で、特に父親からは疎まれる。
- 大学時代(シズ大学)
- グリンダ(後の善い魔女)とルームメイトになる。
- エルファバは優秀だが社会に馴染めず、差別や政治に関心を持つようになる。
- 政治と動物の権利
- オズの国の政治腐敗や動物(喋る動物=アニマルズ)の権利問題に関わる。
- 魔法使い(オズの支配者)の政策に反発し、反体制の道を歩む。
- 「悪い魔女」になる過程
- 反体制運動のリーダー的存在になるが、世間からは「危険人物」とみなされる。
- 逃亡生活を送りながら、伝説的な「西の悪い魔女」としてのイメージが固まっていく。
- 『オズの魔法使い』とのつながり
- ドロシーがオズにやって来るころには、エルファバは孤立し、世間から完全に「悪」と見なされている。
- 物語は、彼女がドロシーと出会う直前までを描く。
オズの魔法使いはアメリカ人にとって単なる児童文学の古典ではなく、文化的に非常に重要な存在のお話です。
主人公ドロシーは、普通の少女が勇気と知恵を持って困難を乗り越え、最終的に家へ帰るというアメリカンドリームの体現です。
また、ドロシーがオズにたどり着く旅は、移民のアメリカ定住の象徴とみることもできます。
近年では「友達や本当の自分を見つける旅」というテーマから、LGBTQ+の人々にとっても重要な作品とされ、特に「Over the Rainbow」は象徴的な楽曲となっています。
英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習 ミュージカル版

Wicked (ウィキッド)はブロードウェイでミュージカル化され、これも大ヒットしました。
日本でも劇団四季で観ることができますね。
- 初演: 2003年(ブロードウェイ)
- 作詞・作曲: スティーヴン・シュワルツ
- 脚本: ウィニー・ホルツマン
- あらすじ: エルファバ(緑色の肌を持つ少女)と、のちの「善い魔女」グリンダの友情と対立を中心に、オズの国の裏側を描く。
- 代表曲: Defying Gravity, Popular, For Good など
- 評価: ブロードウェイのロングランヒット作で、トニー賞を受賞。
英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習 映画版(2024年・2025年公開予定)

さらにWickedは2024年・2025年に二部作として、シンシア・エリヴォ(エルファバ)、アリアナ・グランデ(グリンダ)の主演によって映画化されています。
世界中で高い評価を受けています。以下に、海外での評判をまとめます。
- Rotten Tomatoes: 378件のレビューに基づき、88%の新鮮度評価を獲得し、平均評価は7.5/10となっています。
- Metacritic: 62件のレビューに基づき、加重平均スコア73/100を獲得しています。
批評家たちは、シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデの演技、映画の美術的側面、そして舞台版への忠実さを高く評価しています。一方で、映像の色調や一部の視覚効果、映画の長さに関しては批判的な意見も見られます。
アメリカ映画協会(AFI)による2024年のトップ10映画の一つに選ばれ、全米批評家協会(NBR)からは最優秀作品賞を受賞しました。
さらに、第82回ゴールデングローブ賞では作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を含む4部門にノミネートされ、第30回放送映画批評家協会賞では作品賞を含む11部門にノミネートされました。また、第97回アカデミー賞では10部門にノミネートされ、衣装デザイン賞と美術賞を受賞しています。
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英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習

Wicked (ウィキッド)に使われている色は象徴的なものが多いです。
Wicked(ウィキッド)で英語学習 緑色(Green)の象徴的な意味
エルファバは緑色の肌を持つことで周囲から疎外されますが、これは英語圏における「緑色」の象徴性と深く結びついています。
「怪物・異端者」の象徴
モンスターや悪役が緑色で描かれることが多い(例:フランケンシュタイン、シュレック)色で、「緑の肌」=「普通でないもの」として社会からの排除を象徴しています。
「嫉妬」の色(Green with envy)
シェイクスピアの『オセロー』にも「嫉妬は緑の目をした怪物(the green-eyed monster)」という表現が登場しますが、英語圏では緑は嫉妬の色。
エルファバの才能やカリスマ性が、社会的に抑圧されることへの暗喩でもあるかもしれません。
Wicked(ウィキッド)で英語学習 グリンダがピンクをまとっている理由
グリンダが象徴する「ピンク」という色にも、英語圏の文化や価値観が深く反映されています。
ピンク=「偽りの善・表面的な善」の象徴
『ウィキッド』では、善と悪の境界が曖昧になります。
グリンダはピンクをまとい「善い魔女」として振る舞うが、序盤では自己中心的で偽善的な面がみられます。
彼女の「キラキラした見た目」と「エルファバを利用する態度」は、「社会が作り出した偽りの善」 を象徴しています。
「ピンク=権力とポジションを維持する色」
英語圏の文化では、ピンクは単なる可愛さだけでなく「特権を持つ者」の色として使われることがあります。
グリンダはオズ社会の上流階級に属し、魔法使い(権力)と近い立場にいるため、ピンクがその社会的地位を象徴しています。
ピンクとエルファバの緑の対比
ピンク(グリンダ)と緑(エルファバ)は、色相環(カラーサークル)で補色関係にあり、真逆の意味を持っています。
グリンダ=社会が受け入れる色、エルファバ=社会が排除する色
というわけです。
しかし、物語が進むと、グリンダの内面は変化し、「見せかけの善」ではなく「本当の正しさ」を追求するようになっていきます。
最終的にグリンダは「ピンクの世界」に生きながらも、自分の信じる正義を追い求めるようになり、エルファバとの関係が変化していく。
この色の使い方は、英語圏の文化・価値観を反映しつつ、それに対する疑問を投げかける 深い意味を持っているといえます。
Wicked(ウィキッド)で英語学習 ヤギ(Goat)の象徴的な意味
エルファバの数少ない理解者、ディラモンド教授(Dr. Dillamond)は、オズの世界における知的なヤギのキャラクターであり、彼の存在には深い文化的な背景があります。
「スケープゴート(Scapegoat)」の概念
スケープゴートとは、「他者の罪を背負わされる犠牲者」のこと。
ディラモンド教授は、知的な動物でありながら迫害され、オズの権力によって排除されてしまいます。
これは、現実世界の人種差別や社会的マイノリティの迫害を暗示しています。
「ヤギ=知恵者、賢者」
西洋ではヤギは古くから「知恵」の象徴(例:ギリシャ神話のパン神、タロットの「悪魔」)。
ディラモンド教授はオズの歴史や社会の真実を知る者として描かれています。
「悪魔や異端者の象徴」
ヤギはキリスト教文化ではしばしば「悪魔的」なものと結びつきます(バフォメットのイメージ)。
権力者(オズの魔法使い)は動物を抑圧し、異端者として扱うが、これは歴史上の迫害とリンクします。
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Wicked(ウィキッド)で英語学習「ウィキッド(Wicked)」という言葉の二重の意味
Wickedを辞書でみるとまず出てくるのは
〔人や行為などが〕ひどく悪い、不道徳な
という意味ですが、下記のような意味も同時に出てきます。
〈俗〉とても良い、素晴らしい、優れた、最高の、すごい◆【同】excellent ; wonder ; great
「邪悪な(evil)」という意味
物語の中で「ウィキッド」は「悪い魔女」を指すが、それは本当に「悪」なのか?という疑問を投げかけてきます。
「善と悪の境界は誰が決めるのか?」というテーマが作品の核心。
スラングとしての「Wicked」
英国・米国のスラングでは「すごい!」「最高!」というポジティブな意味もある(例:「That’s wicked cool!」=「めっちゃカッコいい!」)。
つまり、「ウィキッド」は単なる「悪」ではなく、逆境に抗いながら輝くことをも象徴しています。
Wicked(ウィキッド)で英語学習 グリンダとエルファバの名前の由来
オズの原作小説の作者、ライマン・フランク・ボーム(L. Frank Baum)へのオマージュです。
グリンダはオズの原作小説のままとなっており、エルファバの名前は、原作には存在しない「新しい解釈」を加えたキャラであること を示しています。
- エルファバ(Elphaba)=「L・フランク・ボーム(L. Frank Baum)」の頭文字「LFB」を並べたもの。
- グリンダ(Glinda)=『オズの魔法使い』に登場する「北の善い魔女」の名前そのまま。
Wicked(ウィキッド)で英語学習 エルファバは「魔女狩り」のメタファー
「魔女」という存在が持つ、英語圏の歴史的背景が反映されています。
エルファバは、社会から「魔女」として迫害されるが、これは歴史的な「魔女狩り」と関連しています。
魔女狩りといえばヨーロッパのイメージが強いですが、アメリカでも17世紀のセイラム魔女裁判という有名な事件が起こっています。
「本当は罪を犯していないのに、権力者にとって都合の悪い人が『悪者』に仕立て上げられる」という物語の構図と魔女狩りはぴったりリンクしますね。
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Wicked(ウィキッド)で英語学習 オズの魔法使い=「偽りの指導者」の象徴
オズの魔法使いは、「権力者の欺瞞」のメタファーです。
彼は強大な力を持つ存在として崇拝されるが、実は「普通の人間」だったということがのちに明らかになります。
これは、英語圏の社会で「カリスマ指導者」とされる人物が、実は何も持たないのでは? という批判を暗に示しています。
『オズの魔法使い』自体、アメリカの政治風刺が元になっているという説もあるため、その要素を引き継いでいるのですね。
英語圏トリビアがわかるともっと楽しい!Wicked (ウィキッド)で英語学習まとめ「オズの国」はアメリカ社会の比喩?

『オズの魔法使い』にはもともとアメリカの政治や経済のメタファーが含まれているという説があり、そのサイドストーリーであるWicked(ウィキッド)も同様です。
それを知ってから作品を見ると、より深く楽しめそうですよね。
さらにWicked(ウィキッド)では、さらに「体制に従う者(グリンダ)と、反体制の者(エルファバ)」という対立構造が加わり、アメリカ社会の権力構造を批判する視点が強調されています。

ただの娯楽作品じゃない、深い意味が隠れているんですね。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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